本日も当ブログをご覧いただき、ありがとうございます。
当ブログはタイトルの通り、ラジオを主にした記事が多くを占め、野球中継のネタも多
くあります。ブログ主は、野球などスポーツ観戦を趣味の一つにしています。
実は、個人的に気になった事があります。
「なぜ、中日ドラゴンズは成績不振なのに、球場は観客で埋められているのか?」
2024年シーズン一時は首位に立つなど、快進撃のはずが、そこから坂を転がり落ちたように低迷、現在は5位(9月8日現在)と「定位置」に定着した中日ドラゴンズ。
自力優勝が7月26日に消滅、自力CS出場もいつなくなるかの問題になってきました。
(追記、8月20日に自力でのCS出場の可能性が無くなりました。9月8日現在、自力での4位も消滅。)
何処のエリアでも、地元球団を持ち上げることはありますが、東海地区のラジオは「勝敗を気にせず、とにかく前向き姿勢」がかなり目立ちます。
更に、成績が振るわないと、普通は観客動員数は減ります。
(今年の西武ライオンズが典型的な例です)
西武ライオンズの親会社の「西武HD」の株主総会では株主から厳しい言葉を浴びさせられました。これが、成績が振るわないなどするとよく起こることです。
バンテリンドームが活況な訳を「立浪監督」の効果だという方がSNS上に見られます。
確かに、観客数は増えました。立浪監督は「ミスタードラゴンズ」と呼ばれ、地元名古屋エリアでは絶大な人気です。
ただ、これだけではこの理由としては不十分だとブログ主は考えました。
この理由を書いた記事が先日、日本経済新聞とスポーツ雑誌「number」に掲載されました。
勝てない中日ファンの“本音”…地元アナウンサーらの証言「立浪和義が出演すると視聴率上がる」なぜ愛される?「二軍戦が異例の完売」(2/4) - プロ野球 - Number Web - ナンバー (bunshun.jp) (2024年8月20日閲覧)
この2つの記事にヒントが隠され、疑問解決になると考えました。
今回のブログは、中日ドラゴンズの本拠地球場である「バンテリンドーム」内は観客動員数が増えている理由やファン同士の対立を前編、外である支え合うメディアは視聴率低下、聴取率低下などで収入減などに苦しんでいることを後編として今回の記事を日本経済新聞に寄稿した 前嶋和弘さんの言葉「儲かれば負けても」をタイトルにし、書かせていただきます。
1 「推し活」「SNS」
まずは、NPB公式にある入場観客数を簡単にまとめます。
ちなみに、2021年までは与田剛監督、2022年から立浪和義監督になっております。
但し、2020年、2021年はコロナ特例で入場観客数に制限がありました為、単純計算が出来ないため、記載を取りやめます。ご理解の程、よろしくお願いいたします。
入場観客数 平均観客数
2019年 228万5333人 平均31741人
2022年 180万7619人 平均25459人
2023年 218万3950人 平均30333人
2024年 202万2840人 平均32626人(9/8日現在、62試合)
2024年 セ・パ公式戦 入場者数 | NPB.jp 日本野球機構 (2024年9月8日閲覧)
これを見ると、観客数は増えています。まぎれもない事実です。
(現在の観客動員数は2011年のリーグ優勝時よりも多いです)
しかし、セリーグ、パリーグ全体で観客動員数は増加してします。
昨年の場合ですが、要因として、次のような事柄が挙げられます。
・新型コロナ以降禁止された「声出し応援」が可能となった。
・2023年3月の「WBC」で日本が優勝したことも追い風となった。
この疑問に答えた記事が上に貼った日本経済新聞の記事です。
簡単に引用します。
・「ここ数年でYouTubeの発信に力を入れた」というドラゴンズ公式チャンネルは27万人が登録、中年男性や女性ファンの反響が多い。
・吉川球団社長のお話で、「女性ファンが増えた」との事。マスコットの「ドアラ」や特定の選手が目的の「推し活」ファンの来場も増えた。
「推し活」は応援すること自体が目的で、勝ち負けに大きくこだわらない場合も多い。
・若い世代の「テレビ離れ」などで視聴率が低下する中、球団からの発信がファンとの強力な接点になっており、グラウンド内外の選手の姿、試合中には見られない選手の一面を楽しむ方が増えている。
実はこれを物語るデータが中日ドラゴンズの「スポンサーシッププログラム」に掲載がありました。(東海ラジオもこれに名があります)
・2023年11月現在の「公式ファンクラブ」の会員数は40万5337人です。
・実は20代の会員数が増加し、12万1773人と前年比1.5倍。
・女性会員も13万2337人と前年比3割の増加。
SSP2024.pdf (dragons.jp) (2024年8月18日閲覧)
ここ最近、多くの球団は「試合前後のイベント」「SNS」など試合以外の分野に力を入れており、観客が楽しめる施策を講じています。
例で「DeNA」のスターナイトを挙げます。
\盛りだくさん!📢/
— 横浜DeNAベイスターズ (@ydb_yokohama) 2024年7月13日
『YOKOHAMA STAR☆NIGHT 2024 Supported by 横浜銀行』#ハイライトグッズ 発売🌠
7/9(火)
⚾️スターナイト8連勝を決めるサヨナラHRを放った、蒼く光る彗星 #オースティン 選手!
⚾️HR含む5打数4安打、守備でも強肩を生かして勝利をもたらした #山本祐大 選手!
7/10(水)… pic.twitter.com/aPYA3Phx3u
DeNAはここ数年、成績が好調で、2023年は3位でクライマックスシリーズ進出、2017年はリーグ3位から日本シリーズ進出などあります。
一方の中日ドラゴンズは2012年のリーグ2位から低迷し、2020年を除き、Bクラスとなっており、完全に低迷期に入っています。
立浪監督が就任しても、成績は好転どころか悪化しており、2年連続最下位という球団史上初の屈辱になるなどしています。
「普通は、バンテリンドームは閑古鳥が鳴いてもおかしくない」です。
また、成績が振るわないので、こうした施策が非常に目立ちます。(試合以外の事が話題になるのも、こう言った要因が考えられます)
今回の記事を寄稿した上智大学教授の前嶋和弘さんのコメントを残します。
勝てないけれど、東海地区では潜在的な人気があるからそれを掘り起こせば経営は大丈夫という話。「儲かれば負けても」という悪循環でずっと弱くなってきたのがこの10年以上のドラゴンズ。栄のドラゴンズショップに何度も入っても買いたいものが全く見つからない私を含め、昔からのファンはおそらく時代遅れ。それでも問題ないのかと思います。
プロ野球中日ドラゴンズ、低迷でもなぜ観客増? SNSでファン狙い打ち ナゴヤファイル - 日本経済新聞 (nikkei.com) より引用。
この記事には「立浪監督の効果で観客が増えた」とは一切ありません。観客動員数は増えていますが、それ以外の要素がかなり大きくなっています。
現状の中日ドラゴンズ関係者は、「負けても観客が入っているから大丈夫」という考えが蔓延しているので、チームが弱くても満足。
バンテリンドームに来ている人は、「負けても推し選手が見れたら満足」という考え。両者の考えが一致しているので、「成績なんてどうでもいい」というのが現状あるかと思います。
ブログ主は、「推し活」を否定することはしません。趣味の範囲で楽しむことは、良いことだと考えます。
しかし、現状の過剰な「推し活」文化は、野球の本来の魅力とはかけ離れているとブログ主は感じました。時代の変化で、このような考えは古いかもしれませんが・・・
実は、観戦時のマナーが悪い(目の前でカメラを出されて、グラウンドが見えない等)のも、これが直接の原因とは言いませんが、要因の一つだと考えます。
2 ファン同士の対立の構図
上にも書きましたが、このように「勝敗に拘らない」層が増加したことで、成績に関係なく観客数が増加しているバンテリンドーム。
とある記事にて「ファンの本音」が掲載されましたので、引用します。
「正直に言えば、勝ってほしいです。勝った後は明日へのパワーにもなるし、明日も頑張ろうって思える。でも、勝ち負けではないです。負けたけど、今日のこのプレー良かったねとか、次はこうなるといいねって会話できます。もちろん最高の理想はチーム全体が目標としている優勝を達成して、私も一緒に喜ぶことができれば一番ですけどね」
ドラゴンズファンの歌手「May´n」さんのコメントです。
昨年、ニッポン放送「ラジオペナントレース」という野球番組に出演した際も、中日がその日敗戦を喫しましたが、かなり前向き姿勢だったことを覚えています。
東海エリアのパーソナリティー陣も「中日の勝敗に関係なく、前向き姿勢」が当たり前になっています。
(たまに成績が振るわないことをアナウンサーが発言した際に、「聞きたくない」とおっしゃる方がおられますが・・・)
ブログ主は「X」も運用していますが、X上の中日ファンは「勝敗に関係なく、前向き姿勢」な方が見られます。
「前向き姿勢」のすべてを否定はできませんが、反省していない、現実逃避していると取られてもおかしくありません。
現実、2012年以降CSに出場できていない中日。クライマックスシリーズ、日本シリーズを知らない方々が増加しています。
その為、実際「落合政権でのドラゴンズ」を知らない方が増加しているのもわかります。
また、ブログ主は、X(旧ツイッター)を運用させていただいています。
はっきりと申しますが、「中日ドラゴンズファンのSNSでの対立は深刻」と断定します。(過去にダイノジ大谷氏が番組内で、このような発言を2023年にしていましたが、これ以上に深刻だと思います)
ブログ主は、立浪監督を擁護も批判も現時点では行いません。シーズン終了後に検証企画は行う予定です。(Xの内容は、メディアに関する記事を多めにしております事をご理解ください)
しかしながら、現状「X」上では、ファン同士の対立がかなり深刻だと思います。
監督を批判する層と監督を擁護する層との対立が目立ちますが、個人的に調べると、東海地区の「ドラゴンズファン」とそれ以外の「ドラゴンズファン」で考え方に差があります。
「中日ドラゴンズが優勝できなくても愛される理由」(喜瀬雅則著、光文社新書)には、田尾さん、福留さんの話を簡単に引用します。
・選手の悪口を言わない、批判しない(○○は悪くない、使う監督が悪い)
・基本的に、「地元」が大好き。外に出たがらない。
→ドラゴンズの選手であれば、だれでもいい。
更に、内閣府発表の「2020年度県民経済計算」の47都道府県における県民1人当たりの平均所得は342万8000円で東京に次ぐ2位。トヨタ自動車を初め、製造業が盛んで、マーケットは大きく、名古屋へいると事足ります。
このように製造業など産業が豊かなので、スポンサーに困らないので、営業が育ちにくいのが元中日フロントで、現在は「矢場とん」の人事部長の片貝さんの見解として、上の本に記載がありますが、ブログ主も同じ考えです。
親会社が新聞社だから大丈夫という考えも相まって、豊かだからチャレンジ精神も生まれない、現状は困っていないから、東海地区の方々に「常に前向き姿勢」「優しい」という考えが生まれる土壌が整っています。
神宮球場や甲子園、東京ドームで「野次」を浴びる監督の映像がSNS上に上がっており、バンテリンドームでの「野次」が目立たないのも伺えます。(昨年の最終戦はかなりの「野次」がセレモニー中にありましたが・・・)
落合監督が、2010年、2011年連覇した際に退任したのは、勝負にこだわり、名古屋に馴染まかったのが引き金となりました。(ここに関しても、後編や今後のブログにて詳しく書きます)
東海地区の「ドラゴンズファン」とそれ以外の「ドラゴンズファン」で決定的に違うのは、名古屋にうまいこと染まっていないことで外からの考えが入っているか、いないかの違いだと現段階ではブログ主は結論を出します。
前編では、球団が「推し活」「SNS」で観客動員数が増えており、立浪監督の効果ではないことを球団側が事実上認め、ファン同士の対立の理由を簡単に述べさせていただきました。
後編は、ドラゴンズを支えるメディア(地上波放送など)に関する現状を書きますが、球団の好調とは裏腹に視聴率低迷などを、更に東京中日スポーツの休刊なども書きたいと思います。
今回は、ここまでとします。