本日も、当ブログをご覧いただき、ありがとうございます。
今シーズンのプロ野球が残り30試合を切り、「消化試合」「クライマックスシリーズ」「優勝争い」が佳境を迎えます。
また、ラジオ番組は1か月後には「秋改編」に突入し、リスナーさんがヤキモキする時期でもあります。
ブログ主は、これ以外にも「10月以降の野球中継」はどうなるのかも注視しています。
実は、「放映権」が鍵を握ります。
この「放映権」に関して、この二冊の本に重大な情報が記載されていましたので、簡単に紹介します。
①「徳間書店発行、「PLMメゾット」」
この本には、「キツネダンス」ブームの火付け役など裏側が書かれています。「PLM」とは、2007年にパリーグ6球団が共同で設立したビジネスカンパニー、パシフィックリーグマーケティング株式会社の略です。
②「光文社新書 「中日ドラゴンズが優勝できなくても愛される理由」」
実はこの本には、中日ドラゴンズの周りのメディア事情などが詳しくかかれています。
今後のブログでも、この本を使用します。(だた、現在この構図が崩れかかっています)
この二冊の本を総合すると、「セリーグとパリーグで放映権保有事情」がかなり異なることが分かりました。
詳しく書きます。
そもそも「放映権」とは何かを簡単に説明します。
(スポーツの試合や映画作品などをテレビで独占的に放映できる権利、オリンピックなどでは主催者に莫大な権利料が払われる)とされます。
goo 辞書より
分かりやすく説明すると、テレビ局が野球中継をしたいとします。その為に、放送料を主催者に支払い、主催者はお金を払った放送局に野球中継を行う権利を与えるというものです。ラジオの場合は「放送権」ということが多いですが、意味は一緒です。
アメリカメジャーリーグ「MLB」と「Jリーグ」はすべての球団・チームの放映権をリーグ側が一括して管理・販売しています。
(ドジャース・大谷翔平選手の映像を使用するためには、「MLB」に放映権料を支払する必要があります)
一方で、日本のプロ野球は、放映権は主催球団が保有しているため、個別にホームゲームを販売しています。
パリーグ6球団は、放映権は各球団が保有していますが、インターネット配信権は「PLM」が一括で管理しています。尚、映像の著作権は、各球団が保有しています。
その為、最後にでる「制作・著作」は球団です。映像や放映権は「PLM」が一括で管理し、各放送局に販売しています。
上にも書きましたが、「PLM」はパリーグ6球団が共同で出資し、設立されました。
なので、極論を言いますが、パリーグ6球団の放映権は「PLM」が一括管理しています。
PLMの代表的なサービスとして、「パリーグTV」が挙げられます。
一例でこの動画を貼りましたが、全球団のインターネット配信権を管理しています。
試合映像に関しては、球団が制作した映像「球団映像」としてテレビ局に販売する形式です。
簡単に説明すると、「映像は球団自ら、自前で作る」です。
なので、購入したテレビ局は「映像はある」為、現地に乗り込まず、スタジオからの放送所謂「オフチューブ中継」を行うことが可能です。
(経費削減の点やテレビでは、映像があるので、この手法でも理解します。しかし、映像がないラジオでは迫力や臨場感に欠けるので、ブログ主は、ラジオの「オフチューブ中継」は反対派です)
(以前、CBCラジオが「ラッキーウィーク」のビジター6連戦」の現地乗り込みを断念、オフチューブ中継を行いましたが、試合映像はこの「パリーグTV」を使用したとされます)
話を元に戻します。実は「PLM」は「DAZN」との交渉で、一括契約しました。「パリーグTV」にとっては、競争相手は増えましたが、露出の点では増加し、インターネットでの観戦者数は年々増加しています。
「DAZN」ではパリーグ6球団の試合は全試合見ることができます。
一方でセリーグは放映権、インターネット配信権とも各球団の管理になっています。
実は歴史をさかのぼると、セリーグは「新聞やテレビなど古いメディア」との関係性がかなり深いです。
はっきりと言いますが、セリーグは「各球団」で放映権がバラバラです。
特に、テレビ局や新聞社と関係が深い「巨人」「中日」「広島」はパリーグのような一括管理にはかなり消極的と差し支えありません。
「巨人」「中日」は新聞社やテレビ局との関係性上。
「広島」は地元放送局との関係上とされます。(ここに関しては、今年に入ってから若干の変化が見られます。別のブログで記載します)
あまり長く書くと、分量が長くなるので、簡単にします。
「セリーグは、テレビ局が放映権や映像制作を管理している」と考えてください。ただ、ここ最近はこの流れが変わりつつあります。
また、DAZNも広島以外の5球団が各自で契約しており、一致した管理ではありません。
しかし、日本シリーズとオールスターだけは放映権が異なります。次の項で説明します。
2 日本シリーズの場合(2010年の例の件も触れます)
プロ野球のレギュラーシーズンはパリーグは「PLM」、セリーグは各放送局が放映権を管理しています。これは「クライマックスシリーズ」までです。これは主催者が球団の為です。
(今年のオールスターが神宮球場での開催でしたが、NPB主催の為、ラジオのJRN系列「CBCラジオ等」でも中継が可能です。あくまで、ヤクルト主催試合のみCBCラジオ等は中継が不可です。)
(2015年の日本シリーズ「ソフトバンク対ヤクルト」の神宮開催分はRKBラジオでも中継は可能、更に現地乗り込みで中継を実施。これは制約がない為可能です。)
その為、放映権に関してはNPBが指定する形です。(オールスターはテレビ朝日が放映権を保有しています)
日本シリーズに関しては、2009年までは出場する球団が推薦した放送局とNPBが交渉する形式でしたが、2010年の「ある件」以降は、推薦した放送局と広告代理店が交渉する形式に変更、2011年以降は、冠スポンサーが付きました。
【プロ野球】今年は全試合、地上波で全国中継 日本シリーズ - MSN産経ニュース (archive.org) (2024年9月1日閲覧)
※日本シリーズの試合開始時間が通常のナイターよりも遅いのは、スポンサー側と放送局側の事情であることをお伝えします。
それでは、「例の件」を触れます。
2010年の「日本シリーズ 中日対ロッテ」です。第1、2、5戦目が地上波全国ネット中継がありませんでした。(東海地区では、ローカル放送で全試合中継)。
3試合で全国中継なし プロ野球日本シリーズ - 日本経済新聞 (2024年9月1日閲覧)
1953年の中継開始以降、史上初の出来事でした。
当時の報道から、経緯を簡単に説明します。
第1戦、第2戦はCBCテレビ(TBS系列)が放映権を優先的に保有していましたが、TBSが「世界バレー」の放映権を持っていたため、放棄。デーゲームでの開催も検討されたが、結局まとまらず、放映を見送りました。
当時は、中日が出場した段階で、視聴率が見込めないため、放映権を見送る放送局が相次いだシリーズでもありました。
史上初!日本シリーズ地上波全国中継なし - 芸能ニュース : nikkansports.com (2024年9月1日 閲覧)
このシリーズは4勝2敗1分けでロッテが優勝、リーグ3位からの下剋上日本一や6戦、7戦目の両試合延長戦など熱戦で印象に残るシリーズでした。実際に視聴率も上昇しました。
日本シリーズ視聴率急伸 第7戦は20.3% - 日本経済新聞 (nikkei.com) (2024年9月1日 閲覧)
この結果、NPBに入る「放映権収入」が大幅に減少(2009年より1億円の減収)しました。翌年はこの教訓で、冠スポンサー形式で地上波放送が確実に行われるようになりました。ここだけは、お伝えします。
3 動向調査中です。
今回、放映権に関して触れましたが、ここからは特殊な例について紹介します。
「試合が行われなかった場合の放映権」はどうなる?です。
ここに関しては、はっきりとした出展先は見つかりませんでしたが、野球中継情報を出してくださる方によると「中止になった試合の放映権は、振替試合も放映権を保有する」そうです。
各球団ごとに、開幕前に公表している球団や各テレビ局で「放送予定」として掲載されていますが、それが行使されないケースがあります。大きく分けるとこのような理由です。
①キー局で差し替え不可の番組が放送される場合(2010年の日本シリーズのように、国際大会やスポンサーの関係で差し替え不可の場合)
②放送局側の事情(視聴率が取れない、提供スポンサーの存在、番組編成等)
・特殊な例を挙げます。
1 2024年6月18日「阪神対日ハム」(5/28振替分)
関西地区は読売テレビが放映権を保有していましたが、今回の振替試合は放映権を行使し、6時15分~最大延長9時まで放送しました。(ネット受けの札幌テレビも同じ対応)
火曜日の日テレ系は差し支え可能の為、野球中継が可能です。
(ラジオ局はMBS制作をSTV、LF、SF、RCC。ABC制作をHBCネット受けで中継)
※ブログ主は、この根拠で「上の情報」がかなり有力であることを考えました。
2 2021年10月26日 「阪神対中日」(9月17日振替分)
ヤクルトの優勝マジック2で迎えたこの日、「ヤクルトが勝ち、阪神引き分け、負け」
「ヤクルト引き分け、阪神負け」でヤクルトの優勝が決まる運命の試合。ヤクルトが勝利し、阪神が敗れたため、ヤクルトの優勝が決まりました。ちなみに、2021年シーズンは9回で終了で引き分けが多くあったシーズンで、ヤクルトよりも阪神の勝利数が多いという珍しいシーズンでした。
この試合は関西地区は「MBS」が放映権を保有していましたが、「学校へ行こう 最終回3時間SP」を放送するため、深夜にダイジェスト番組として放送されました。
(ラジオはABCラジオがローカル放送、MBSラジオはローカル放送で「DeNA対ヤクルト」放送していたLFが途中から放送、試合終了時にハマスタに切り替えました。中日がBクラスが決まっており、改編後だったため東海地区では、放送はありませんでした)
3 2023年10月3日 「中日対巨人」(8/15振替分)
この試合は、中日の「谷元投手、大野捕手、福田外野手、堂上内野手」の4選手の引退試合、ホーム最終戦でした。
実はこの試合、ある事件が起きていました。
中日ドラゴンズ公式Xを貼ります。
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— 中日ドラゴンズ公式🐨 (@DragonsOfficial) 2023年10月3日
📺本日の放送予定https://t.co/OX2AwVScw4
\\
⚾#JERAセ・リーグ公式戦
🆚#読売ジャイアンツ
🕕18:00試合開始
🏟#バンテリンドームナゴヤ
📺#jsports
📲#DAZN
📻#NHKラジオ#ドラゴンズ #dragons #NPB #名古屋 #巨人 #読売 #ジャイアンツ pic.twitter.com/ka6HixKkMW
最終戦地上波放送なしに中日ファン落胆 「引退セレモニー見れないじゃん」「若狭、どうなっとるんだ!」の書き込み/野球/デイリースポーツ online (2024年9月1日閲覧)
引退試合、ホーム最終戦にも関わらず、東海地区地上波放送がありませんでした。
この理由は「放映権を放棄した」為です。
この試合は、8/15に台風接近の為延期された試合です。8/15は東海テレビが放映権を保有していました為、今回の引退試合も東海テレビが放映権を保有していました。
しかし、あることが判明しました。
ブログ主のXを貼ります。
(お知らせ)
— とくろう⚾🚅(少し、お休み中です) (@u3g7A5oovZPk5PL) 2023年9月12日
10/3のホーム最終戦(東海テレビ放映権保持)ですが、バレーボール男子オリンピック最終予選「日本対チュニジア」を放送するため、地上波中継はありませんので、ご注意ください。https://t.co/rdeKq9f1kC#ドラ魂ナイト #金曜スクラッパー #CBCラジオ
9月12日にバレーボールオリンピック最終予選の放映権をフジテレビが獲得したとの情報が入り、確認を行ったところ、「日本対チュニジア」が放送が決まっていました。差し替えが出来ないため、東海テレビはこの時点で放映権を放棄することになりました。
中日は、ホームの試合のほとんどを東海テレビ、CBCテレビの2局に与えていますが、CBCテレビも「杭州アジア大会」の放送が8月中に決まっていたので、放送はできません。
(その関係で、通常巨人戦はJスポーツやDAZNの配信はありませんが、今回は配信が決まりました)
ラジオも東海ラジオ、CBCラジオとも「改編期」後の中継で「持ち出し中継」となり、スポンサーとの契約上の関係で中継見送り、ローカル放送ではありますが、NHKラジオでの中継というかなり異様な中継となりました。
個人的な見解ですが、今年8/30~9/1の「中日対DeNA」3連戦ですが、地上波放送ならびにラジオ放送はかなり微妙です。
今回は、「放映権」をキーワードに当ブログを作りました。
ご覧いただき、ありがとうございます。