あるラジオリスナーの定点日記

基本的にラジオを語ります。たまに違う話題も語ります。

TBSラジオとCBCラジオに起きている出来事(9/8 追記あり)

本日も当ブログをご覧いただき、ありがとうございます。

基本的に、野球中継などをブログ作成をしていますが、どうしても気になった2本の記事がありました。

 

1 TBSラジオの不祥事

2 つボイノリオのインタビュー

3 最後に

 

1 TBSラジオの不祥事

6月19日に、TBSラジオが「CM無断差し替え」があったことを公表しました。

 

TBSラジオの公式PDFを引用します。

当社の営業担当者が、2022年4月から2024年6月中旬にかけて、広告主より納品され
た複数種類のCM素材のうち、当初一部の素材の表現がCM考査において、放送に
は検討を要するとの意見が出された事から、独断でCM素材の進行表を書き換え、
既にCM考査を通過した同広告主の別のCM素材が放送されるよう手配していまし
た。また2022年9月放送分以降は放送確認書を当該の営業担当者個人のパソコンで偽
造し、当初指定されたCM素材が放送されたかのように報告していました。

20240619_CM素材無断差し替えについてのご報告とお詫び.pdf (tbsradio.co.jp)(())

 

民放の主な収益源が「企業からの広告収入」であることは以前お伝えしました。

実は、CMに関してはテレビ、ラジオとも「間違いなく放送されたを証明する書類」として「放送確認書」という書類が存在します。

CM素材には、すべて10桁のCMコードが付けられ、これがないと放送することができません。

一言で説明すると、「放送するかは放送局が決定権がある」と考えてください。

そして社内規定で大丈夫なCMを放送し、確実に放送したことを証明する「放送確認書」が発行されます。

これを広告代理店を通じて、スポンサーに提出することで「ちゃんと放送されました」ということが証明され、信用関係になります。

(わかりやすい、テレビ東京のサイトを貼ります)

sales.tv-tokyo.co.jp

 

 

話を元に戻すと、この問題は大きく2点存在します。

広告主からの指摘で、無断で差し替えしていたのを2年間気づかず

放送確認書を偽装し、広告主に虚偽の報告をしていた。

 

記事にある「放送局と広告主との信用関係に著しく棄損するもの」とは、個人的な感想として2点目の放送確認書を偽装し、虚偽の報告をした事だと思います。

民放連にも「広告付きの無料放送」の文言があるので、これに関してはかなりの不祥事であることは間違いありません。

社内調査を得て、改めて公表されるものと思われますが、民放連から何らかの処分が下されるのは確実かと思います。

 

嘗ては、聴取率でトップを維持していた「TBSラジオ」。

しかしながら、ここ数年は「リスナー離れ」に苦しんでいます。

 

簡単に説明すると、このような形です。

TBSラジオ関連記事やブログなどで個人的に考えました

・前社長のFM化転身が大失敗(FMにしたかったのは、スポンサーが付きやすいからと言われています)

・番組の改編を「スポンサー」が付くか、付かないかで決め、人気番組を終わらせた。(朝の番組は、自分でスポンサーを取っている為、継続中)

・番組内容が劣化「現在夕方の某3時間番組は、政権批判だけで内容が薄いので聴いていません」

 

更に、不祥事も続発しています。

・番組内で、スタッフがリスナーとして投稿した「やらせメール」が発覚。

(文春の取材で、スポンサーからの指摘で発覚した)

bunshun.jp

 

 

元々、営業利益が小さいTBSラジオ、リスナー離れでCMが付かず、自社CMで穴埋めを行っている現状に加え、更に少ないリスナーを失う不祥事が追い打ちをかけました。

(人気番組である「安住紳一郎の日曜天国」でも、スポンサー離れが起きています)

 

今年5月14日にTBSHD全体の決算が公表されました。

TBSラジオは売上81億3700万円(前年比約5%減)

営業利益7800万円(前年比約79%減

https://www.tbsholdings.co.jp/ir/library/pdf/FY2023/2023_Q4.pdf?20240514

 

果たして、今後どうなるかに注目しています。

 

2 つボイノリオさんのインタビュー

 

6月10日の「日刊ゲンダイ」でつボイノリオさんのインタビューが掲載されました。

ヒット曲「金太の大冒険」で♪金太負けるな~連呼 つボイノリオは「印税は一銭も入らず」と今も嘆き|日刊ゲンダイDIGITAL

 

6月2日のイベントの事が掲載されていたので、そのあとにインタビューに答えていたことが分かります。

6月9日は「つボイノリオ記念日」として、一般社団法人日本記念日協会に掲載があります。(番組としてではなく、リスナー有志が登録したとあります)

一般社団法人 日本記念日協会

 

私が気になったのは、ツボイさんのこの発言です。

「東京や大阪に比べ、このあたりは人材がいないので続いただけです(笑)」

(2ページ目)ヒット曲「金太の大冒険」で♪金太負けるな~連呼 つボイノリオは「印税は一銭も入らず」と今も嘆き|日刊ゲンダイDIGITAL (nikkan-gendai.com)

 

番組が30年目に突入し、CBCラジオの顔になったことに対する質問に答えたかと思います。一見すると、謙虚な姿勢であるように見えます。

 

しかし、CBCラジオは新しいパーソナリティーが育っていない」事の裏返しにも捉えることもできます。

 

今年4月の改編で「朝ワイド」の刷新、人気番組の終了など改編を行いましたが、発行された「MEDIA REPORT 2024」にあるデータよりあることがわかりました。

 

「リスナーの平均年齢が毎年上昇し、新規リスナーが付いていない可能性がある」

実は、看板番組でもある「つボイノリオの聞けば聞くほど」「北野誠のズバリ」、radiko聴取率調査でも上位にいますが、ほとんどが60歳以上のリスナーが占めていることが判明しました。

尚、データは「https://hicbc.com/radio/sales/content/assets/pdf/2024_media-report.pdf」 を引用します。

 

つボイノリオの聞けば聞くほど」のデータ

同時間帯男性NO1 平均5日の累積聴取率は男女60歳が40%以上を占めています。

男性でも30代以下になると、聴取率が一気にダウン。

女性は50代以下になると、一気にダウン。

10代、20代はほとんど聴いていない。(0%台です)

 

北野誠のズバリ」のデータ

平均5日の累積聴取率が男女60歳が3割

「聞けば」同様に年齢が下がると、聴取率が一気にダウン

「聞けば」よりはマシだが、10代、20代はほとんど聴いていない。

 

これを見ると、CBCラジオのリスナー層はかなり高齢層に偏っていることが伺えます。

 

今年2月に東海ラジオの営業のあるポストがありましたが、衝撃的なデータが発覚しました。

 

サンプル数が少ないので、そこまでの参考にはなりませんが、「CBCラジオの番組は若いリスナーに聴かれていないこと」があらかじめ、証明されました。

 

実は、番組だけでなく、自社イベントも「参加者は60歳以上が多い」事が判明しています。

・2023年10月開催 朝PONウォーキング友の会(1000人ほどが参加)

・2024年3月開催 春の終活文化祭~シニアにYELL!~

・2024年4月開催 三河ラジオフェス

「春の終活文化祭」は完全に高齢リスナー向けのイベントですが、ほかのイベントでSNSの写真や公開生放送などを総合すると、ほとんどが高齢者の方が占めていました。

(ウォーキングイベントは8割が60歳の方だった模様です)

 

年齢層が偏ると、番組内容も高齢者向けになりがちです。実際に、時報CMが「葬式会社」だったことがあります。実際にCBCラジオで流れているCMは、高齢者向けのものが多くを占めています。

更に、つボイノリオさん、北野誠さんというレジェンドに完全に頼りきりになり、パーソナリティーの世代交代が完全に遅れました。

(これは東海ラジオにも言える問題で、2年前に大規模改編でリスナーの若返りを図っています)

 

また、番組が長く続いたり、人気になると「マンネリ化」や「何を言っても許される」「番組の内容が劣化」と言ったデメリットが少しずつですが、出てきます。

(今年2月12日、北野誠さんが「差別用語」と取られる発言をし、radiko配信が停止。番組内で謝罪することになりました)

 

2023年4月3日に、多田しげお氏より「朝PONは今年度で終わります」とさらっと発表がなされました。

「多田しげおの気分爽快!!~朝からPON~」は1999年からスタートして、CBCラジオの朝の顔として、25年間放送してきました。多田しげお氏は、CBC入社後から多くのレギュラー番組を担当し、アナウンス部長から特別職なども歴任し、定年退職後はフリーアナウンサーとして番組を担当し、「CBCラジオのレジェンド」として親しまれました。

番組も2022年8月に6000回を迎えました。その時の記事を貼ります。

radichubu.jp

 

 しかし、この時期から多田しげおさんが体調不良で番組をお休みする回数が増加していきました。また、番組内で咳をするなど、年齢に伴う体力の衰えが顕在化してきました。恐らく、この時期あたりから番組の今後をどうするかの話が出ていたのかなと思いました。

 2023年4月3日に、番組は残り1年ですという発表をしたのは、「早めに発表して、後の番組にバトンタッチしたい」「どうせ、番組が終わるので早めに発表しよう」どちらかの理由ではないかと考えています。

 

ワイド番組の改編となると、担当者を決める必要があります。自社制作になるなら、担当している番組が変わる、勤務が変わるといった異動が発生します。

ブログ主は、朝PON の年末特番で「後継番組」を発表するのではないかと考えていましたが、何もなく、何か歯切れの悪い番組の終わり方をしました。

(先に言いますと、朝PONの最終回もあっさりと終わり、「ありがとう特番」も編成されませんでした。局側としても番組で「ツアー」も行ったので、予算がなかった可能性もあります)

 

そして、2024年に入り、何もないまま3月に突入。3月1日に後継番組「#プラス」の開始を公式サイトとSNSで発表しました。

番組内でなく、このような発表になった時点で「相当、人選に苦労した」と私は考えました。

「若いパーソナリティーが育っていないことを暗に認め、これから育てます。」と私は見ています。

朝の番組は失敗が許されないので、慎重に人選をしたと見方もできますが、この発表の仕方は、何か歯切れの悪さを感じてしまいました。

ちなみに、この番組の出演者の一人はコミュニティFMの番組で「1月末に出演のオファーがありました」と仰っていたので、年末年始でも決まっていなかった可能性があります。

 

現在、月・火は光山アナ、水・木は永岡アナが担当。女性パーソナリティー三浦優奈さんと山本衿奈さんが交代で出演しています。金曜は山内アナと竹地アナが担当しています。

 

話を戻します。多田しげおさんという同年代が去って、つボイノリオさんに対する風当たりは少しずつですが、強くなっています。

 

例年ですと、「聞けば聞くほど」の元日10時間特番が放送されていましたが、2023年より1月4日の4時間に短縮になりました。体力面で不安があり、短縮にしたという見方もできますが、予算削減でこのような対応になった可能性があります。

先の記事では「心筋梗塞と新型コロナ」の2回しか休んでいないと発言していましたが、今年5月に発熱で番組を3日お休みしています。

更に、アシスタントの小高アナも今年体調不良で番組を1週間お休みしています。

 

番組が30年続きましたが、パーソナリティの30年歳を重ねていきました。体力面での衰えが指摘されるようになる機会が増加するのであれば、「聞けば聞くほど」の寿命も短いかなと思います。(何かあるなら、夏の自社イベントで発言があるかもしれません)

 

「長寿番組」を簡単に切ることはパーソナリティもそうですが、一歩間違えると、リスナー離れを招くきっかけになります。

しかしながら、ラジオ局の将来を考えると、パーソナリティの入れ替えやリスナーの若返り化は必要であることも事実です。

ニッポン放送TOKYO FMが若いリスナーが増加傾向にあります)

 

CBCラジオは「高齢リスナー」に支えられた一方で、新規リスナーが入りにくい番組がワイド番組を中心に多くありました。しかし、radikoの普及で「若い人がラジオに触れる機会」が増加している事柄、「高齢リスナー」のみに頼ることは不可能になりつつあります。

 

最後に、若いリスナー獲得に奔走するCBCラジオ、朝の番組が意外な結果になっているTBSラジオを紹介し、このブログを占めます。

 

3 最後に

現在、CBCラジオが主催で開催されている「トーク甲子園」に関する記事が上がっていました。

prtimes.jp

この記事には、上にも書いたCBCラジオの現在の問題点を言葉を変えて、掲載があります。

ローカル局のイベントを開催すると、リスナー達が集まってくれる。

・しかし、イベントに来てくれるのは、中高年が大多数。

・10年後、20年後は誰が支えてくれるの=「高齢リスナー」のみでは限界。

 

ここから、生まれたのが昨年初開催だった「トーク甲子園」です。「トーク」が強みのCBCラジオ主催で東海3県の高校生にラジオ音声で応募してもらい、未来のパーソナリティとリスナーを生み出す施策です。

 

その大会で優勝し、現在毎週日曜12時50分~の10分番組として放送しているのが、「TEEN~イブキの一人喋り~」です。

10分番組なので、なかなかリスナーさんとの距離感は難しいと思いますが、発展途上の番組だと私は思っています。

好評だったのか、第2回大会も開催決定し、作成時は準決勝進出校の審査中です。

イベント自体も発展途上なので、見守っています。

 

 

今年4月に発表された「radikoの年間で聴かれた番組」のデータを貼ります。

https://radiko.jp/newsrelease/pdf/20240405_001_pressrelease.pdf

 

関東地区の8位にTBSラジオの朝の番組「パンサー向井のふらっと」という番組がランクインしていました。

 この番組は、「伊集院光のらじおと」という番組の後継番組としてスタートしました。

TBSラジオ伊集院光氏との確執が週刊誌に報じられるほどの騒ぎになっていたので、逆風の中での番組放送開始になりました。

 

朝の番組はニッポン放送垣花正のハッピー」が強さを発揮している中でのランクインなので、TBSラジオとしては明るい材料となりました。

(30代、40代の女性人気が高いことも良い材料です。)

 

これを見ると、「余計なことをしなければ、TBSラジオはこんな悲惨な数字にならなかったのではないか」と考えてしまいました。

 

今回はこの2局に焦点を当てて、考えてみました。

長くなりましたが、ありがとうございました。

 

(9/8 追記)

TBSラジオから、今回の件に関する発表がありました。

公式の文章も貼ります。

20240904_CM無断差し替えについての調査結果のご報告とお詫び (tbsradio.co.jp)

(2024年9月8日 閲覧)

 

この責任を取り、三村代表取締役会長が辞任、林社長が代表権を返上。新たに、向山専務が代表取締役会長に就任することが発表されました。

 

更に、総務省から「厳重注意」の処分もあり、再発防止の着実な実行を求められました。

 

以上、追記とさせていただきます。