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昨日、東海地方のラジオ野球中継の異変(2023年を少し振り返る)を書かせていただきましたが、東海ラジオ、CBCラジオに分けて現在の中継体制などについて書かせていただきます。
[目次]
1.野球中継は好調も、実況アナが足りない東海ラジオ
東海ラジオの現在の中継体制はこのような形です。
ホームゲームは自社制作、ビジターゲームは制作局とのネット、ニッポン放送制作を裏送り
※神宮開幕3連戦は4年ぶりに文化放送制作協力で現地実況
今シーズンは最大141試合中継予定(8/24、25の「巨人対中日」デーゲームは中継不可、両日とも18時より「広島対阪神」(RCC制作)もしくは「ヤクルト対DeNA」(文化放送制作)を放送予定)」
東海ラジオのいいところとダメなところを簡単に
◎「ドラゴンズステーション」の強みでCMのスポンサーが完売
東海ラジオは2018年に球団と「オフィシャルスポンサー契約」を締結、球団とラジオ局との契約は12球団で初の契約となりました。
現在は「オフィシャルゴールドスポンサー」となっています(2024年)
実はこれになると、自社の番組で「中日ドラゴンズ」が商標権を登録しているもの(例はドアラ、スローガンなど)を使用することができます。
TOKAI RADIO FM92.9MHz/AM1332kHz | ドラゴンズステーション
このメリットがある為、2024年現在「ガッツナイター」中継時のCM枠は完売
(平日は12社、休日は10社)、途中の交通情報や天気予報にもスポンサーがいます。
ほとんど、中継時に自社CMは流れません。
ちなみに東海ラジオ、CBCともCM単価は公表していませんが、「ラジオCM」という会社が公表している単価は「20秒スポットごとに23000円~37000円」です。
東海地方のラジオ局&CM放送料金|ラジオCM.jp | ラジオCMのお申し込みはこちらから (radio-cm.jp)
この数字を単純計算すると、60秒ごとに69000円~81000円となります。
一つの試合でCMはイニングごとと中継前、終了前なので、最低12回流れますので、
単純計算で82万8000円~97万2000円の収入があります。そこから諸経費などをひかれますが、かなりの収入が1試合で入ります。
140試合中継したとして、1億円前後の収入があります。
これではなかなか辞めにくいと思います。
〇NRN系列だからできること
NRNとは、ニッポン放送と文化放送系列に所属している放送局です。「ヤクルト主催試合」はNRNが独占放映権を保有しています。
その為、中日が試合ナシ、雨天中止などは巨人戦などを予備カードが設けられます。更に、中日が出場しなくてもクライマックスシリーズ、日本シリーズを中継することができます。
このメリットを活かしたため、radiko聴取率の年間でCBC野球中継を上回る結果になりました。
×実況アナ不足と専属解説者が不在
東海ラジオのHPと双葉社発行の「プロ野球2024 最強データ選手名鑑」に記載されている実況アナと解説者名簿によりますと、実況は村上アナ、大澤アナ、森アナ、吉川アナの4名、解説者は山本昌さん、谷繁元信さん、山崎武司さん、福留孝介さんの4名です。
この4月より、村上アナは朝の番組「first touch」(朝4時45分から6時)の月曜~木曜を担当、前日は夜勤の為ほとんど実況が不可能。
大澤アナは昨年より、営業部を兼任することになったため、実況は月に1~2回のみ。
事実上、森、吉川アナの2名で実況を回すという事態になりました。何とか、中継を続けるために2022年より一部試合(特に日曜デーゲーム)は東海テレビのアナをラジオ実況につけています。
更に、主にワイド番組を担当されていた源石アナをレポーターデビューさせるなど、中継体制はかなり「ギリギリ」の状態です。
解説者も2022年で鈴木孝政さん、鹿島忠さんが抜け、2023年で専属の藤井淳志さんが抜け、専属が0名、ニッポン放送、大阪MBSとの兼任解説者が担当しています。
経費削減の波が来ているのかなと感じました。
実は、今年2月に一部週刊誌にてこのような報道がありました。
AMラジオが次々と終了…プロ野球中継まで打ち切り危機の深刻度 | アサ芸プラス (asagei.com)
この記事の発行者は、「週刊文春」「週刊新潮」などに比べると信用度合いは低いですが、この記事に「ベテランアナを営業に異動、収益アップが最優先」などとあります。
このベテランアナに関しては、察してください。
収益面を考えたら、簡単に打ち切ることはできませんが、果たしてどうなるか。今後、経過観察です。
2、実は野球中継の縮小が噂されるCBCラジオ
CBCラジオの現在の中継体制はこちらです。
ホームゲームは自社制作
ビジターゲームは局間放送、委託放送、オフチューブ中継にて中継
(但し、ヤクルト主催試合は放映権がない為、中継不可)
2024年シーズンは最大132試合中継予定
◎解説が多め
荒木雅博さんが加わり、牛島和彦さん、川上憲伸さん、小松辰雄さん、彦野利勝さん、山田久志さん、吉見一起さんの7名体制。
ローカル中継が多いので、「ドラゴンズ」に沿った解説が多めです。なので、CBCで野球中継を聴く、見る方は多いです。
▲実況アナ大丈夫?
実況アナは、塩見アナ、水分アナ、高田アナ、宮部アナ、若狭アナ、西村アナ、榊原アナ、光山アナの8名がいましたが、今年3月にある発表がありました。
CBCテレビ若狭アナウンサー 東海地方の夕方の顔に! | 株式会社CBCテレビのプレスリリース (prtimes.jp)
その際に、「土日が基本お休みになるので、実況からは外れます」と本人から発言がありました。そのため、実況アナは7名です。
実はCBCはラジオ、テレビ、CS向けの制作のいわゆる「三重制作」が存在します。
(今シーズンは、水曜、日曜の12試合前後が該当)
この場合は実況アナが3名必要、レポーターも要ります。但し、若狭アナより「今シーズンは、レポーターを兼任させることで6名で何とかなります」(3月9日 スポ音より)との発言
レポーターがラジオとCS向けを兼任させるとの事です。
更に、光山アナ(朝の番組を担当、サンドラを担当するので水、土のみ実況)、西村アナ(金曜はレギュラー番組担当の為、不可)
高田アナは、役職付けの為場数減少、水分アナと塩見アナは高齢の為いつ離れるか時間の問題。
若狭アナの穴がかなり大きいことがうかがえます。
▲スポンサー埋まらず、苦肉の策
CBCラジオは「JRN」系列の単独局です。「JRN」とはTBSラジオを基幹局とするネットワークです。そのため、ヤクルト主催試合は放映権がありません
「JRN」としては2017年シーズンに基幹局であるTBSラジオが野球中継を辞めました。
2018年以降は「JRN」制作の全国放送が存在しないため、「ローカル中継」になりました。
更に追い打ちをかけたのが、上にも記載しました(東海ラジオの「オフィシャルスポンサー」契約)でした。そこから、スポンサーが年々減少傾向になりました。
2024年現在、平日は6から8社、休日は7社程度です。
スポンサー収入は、CM単価は東海ラジオと同じ程度なので、大体半分程度に留まります。その為、平日もCMが埋まらず「自社番組の宣伝」、深刻なのは土日の中継で自社番組CMでなく、自社の押し音楽「所謂フィラー音楽」で埋める苦肉の策をとっています。
(土日に関しては、提供読みも収録に変更されてます)
×中継に制約あり
CBCラジオは、ヤクルト主催試合は中継できないことは書きましたが、DeNA主催試合、交流戦のロッテ主催は現地に行かない「オフチューブ中継」となります。
平田良介さん、ありがとうございました〜!!
— ドラ魂キング【CBCラジオ】 (@cbcradiodragons) 2024年4月9日
4連勝目指しましょう!!#CBCラジオ #ドラ魂キング pic.twitter.com/0OSKpSG0hm
このポストは4月9日の中継直前に更新されています。この日の「DeNA対中日」は解説が平田良介さん、実況は西村アナです。現地にいないことが分かります。
DeNA主催はTBSラジオが制作協力で中継を行っていましたが、昨年制作協力からも撤退していたことが発覚しています。
(昨年9月23日のCBC「若狭敬一のスポ音」で若狭アナが「オフチューブ中継」に関して見解を述べていました)
一言でいうと、「オフチューブ中継でもやるか、辞めるか」の2択であることを明かしています。
個人的には、自社制作にこだわるあまりに文化放送やニッポン放送に中継協力を依頼していないことが現状、裏目に出ています。
(東海ラジオとニッポン放送は中継に関しては、仲は良くないですが、中継を続ける上で現実的な選択を取っています)
今回のブログはここで一旦締めたいと思います。